社員ブログ

来るべきモビリティ社会と駐車場業界 1(業界のこれからを考えます)

このところ新聞記事や経済雑誌などで、“ MaaS " について触れている記事を目にする機会が増えてきました。

パステル・ホームページをリニューアルする前に、メールマガジンで3回にわたりこのテーマを取上げましたが、リニューアル後はメールマガジンをやめてこの社員ブログ(今回がリニューアル第1回となります)に統合しました。

そこでメールマガジンで取上げた内容の概略を改めて取上げ、その上でモビリティ社会の将来を見据え、今後の駐車場業界のあり方を総合的に考えていきたいと思います。今回を含めて3回にわたり取上げていきたいと思います。

モビリティ社会の、「モビリティ」とはそもそも何なのでしょうか。
英語では、Mobility と表記しますが、一般的用語としては、動きやすさ、移動性などを意味します。
我々が関係する交通分野においては、人が社会的活動のために交通(=空間的移動)をする能力を指すとされます。
最近ことさらに「モビリティ社会」などと頻繁に取上げられるのは、なぜなのでしょうか。
それは我々を取り巻く「移動」の世界が、「IT技術」によって大きく変貌を遂げようとしているからに他なりません。

では具体的にはどのような大きな変化が起こり始めているのでしょう。
いくつか挙げると
1. シェアリング経済の浸透(モノの所有からシェアリングへ)
2. 自動運転技術の普及
3. キャッシュレス決済の拡大
4. MaaSの取り組み、などです。

そして、このような変化が私たちの駐車場業界に対して具体的にどのようなインパクトをもたらしうるのか、この3回のシリーズで考えていきたいと思います。

 

1.から順に、始めましょう。
シェアリング経済」の進展により、モノの「所有」を前提とした経済モデルが変貌しつつあります。
自動車や自転車のみならず、民泊、空き家、婦人バッグ、高級時計などあらゆるモノが、生活のあらゆる場面でシェアリングされるようになってきています。
また人々の意識も、「モノを所有する」より、「モノを使うサービスを利用する」にという方向にシフトしつつあります。最近よく耳にする「サブスクリプションモデル」という言葉もこのような事情を反映しています。

例えば、トヨタの「KINTO」というサービスはこの典型例です。「KINTO SELECT 」というプランでは、レクサス新車6車種の中から6ヶ月ごとに好きな車種を選んで3年間乗ることが出来るというものです。料金は月額(定額)で税抜18万円を支払うことになります。この費用には任意保険、登録諸費用、自動車税、定期メンテナンス、故障修理などが含まれます。しかも申込みはWEBでもできるという便利さです。つまり、モノ(自動車)を所有することなく、サービス(車を使うというサービス)として利用し、その対価を支払うというカーライフ・スタイルです。

駐車場業界に限定して言えば、自動車を所有しない社会が到来すれば、当然ながら駐車場の必要性は大きく低下するため、多くの駐車場が廃業という事態に追い込まれることになるでしょう。
廃業駐車場の跡地利用という観点からは、都市のあり方が大きく変わっていくことが予想されます(ちなみにアメリカの主要都市おいてはその面積の20%程度が駐車場として利用されているともいわれています)。
ごく簡単に予言的に触れますと、これからの駐車場はいわば「交通結節点」としていかに進化していくことが出来るか、というところに生き残りのポイントがあると考えています。
また自動運転が主流になってくれば、駐車場の「形態」そのものが大きく変貌することになるでしょう。この点に関しましては第2回で述べていきます。

少し長くなりましたので今回はここまでとします。
30年一日のごとく変化の乏しかった駐車場業界ですが、今後は社会経済の大きな波に飲み込まれていくことは必至です。
日々情報収集を怠ることなく、特に技術動向には目を配り、ポツンと取り残されることのないように日々勉強を続けることがプロフェッショナルとしての責務であると考えています。

今回を最初のシリーズ(3回)として、「業界の今後を考えます」という”お勉強シリーズ”を定期的にお届けしようと思っています。このシリーズが、皆さんが駐車場の今後を考えていくための一助となれば幸いです。

今回もお読みいただきまして有難うございます。