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Vol.106 駐車場とデザインについて 2

 ◇今回のテーマ 「 駐車場とデザインについて 2 」です。


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 ○1.前回の続きです。

    ③ 「統一性があるか」という視点。

    これは前号で記しましたように分り易さの要素でもあります。
    それぞれの案内サインが目的とするものや、サイズ、形状、色、字体など
    がバラバラでは、伝えたいことを適切に伝えることはできません。

    例えば、普通の駐車場では「車」向けのサインと「人」向けのサインを
    特段区別しません。しかし私は先日の提案で、この二つを分けました。

    この駐車場はやたらと案内サインが多すぎて、結果として利用者が個々の
    案内を見てくれることもなく案内の役目を果たしていませんでした。

    そこで、誰に向けた案内サインかが一目で分るように工夫をして二つの系
    統に分けました。分けることで全体に統一性をもたせるという考え方です。

    サインに思想を持たせて明確なコンセプトを伝えるには、サインを目的別
    にしっかり整理をした上で、全体として統一性を持たせることが必要なの
    です。

    コンセプト無しに継ぎ足し継ぎ足しでサインを増やしていったりするのは
    これに逆行しており、分かり易さとは程遠いものになりがちです。

    また「統一性」は「綺麗さ」にも繋がります。

    細かいことで言えば「出口」サインの材質や字体、色が看板毎に違ってい
    たり(実際に珍しくありません)、同じ内容を伝えるピクトサインが同じ
    駐車場で異なっていたり、細かいことを上げればキリがありません。

    このようなサインは全体として雑音が混ざっているようなイメージがあり
    綺麗さを欠くばかりでなく、統一性がなく分りにくいものになっていると
    いえます。

    以上のように色々な面で統一性があるかということを精査することで分り
    易さ、綺麗さにつながっていくのです。


 ○2.次は
    ④ 「森と枝の関係になっているか」という視点。
    これも良くわからないかも知れません。

    私は案内サインというものは、全体として「森と枝の関係」を形作ってい
    る必要があると思っています。

    具体的にお話しします。
   
    案内サインは、それぞれ適切な場所で、その場所に必要不可欠な最小限の
    情報を提示することで分り易い案内サインになるという考え方です。

    例えば、阪神高速大阪市内方面入口に繋がる「出口」があるとします。
    このとき駐車している車室の前に、「阪神高速大阪市内方面入口方面への
    出口」という案内サインがあっても殆ど無意味です。
   
    そこでは先ず、出口方面へ進むことだけを示せば十分です。
    ですから「出口→」のような小さな案内サインを設置するということにな
    ります。
    
    次に場内に「阪神高速大阪市内方面入口への出口」と「中国道豊中方面入
    口への出口」があるとしますと、
    その分岐点には「阪神高速大阪方面」と「中国道豊中方面」の案内が必要
    となります。
    
    場内にそういう分岐点がなければ、出庫口のところだけでそのような提示
    をすればよいということになります。
    
    つまり
    先ず適切な場所で必要最小限の情報を提示し、次に分岐点など必要な場所
    で順次より詳細な不可欠情報を、提示していくという構造にしておくのが
    分り易い案内サインの要諦ということになります。

    最初は大まかに、そして適切な場所で順次詳細に情報提供をするという構
    造が大切ということです。
    言葉にすると簡単ですがこの原則が守られていない駐車場は山ほどありま
    す。

    なぜこんな場所でこの情報を提示しているのか頭を傾けたくなることは決
    して珍しいことではありません。

 ○3.運転者が場内で案内サインを見る時間というのは、きわめて短いものです。

    場合によっては1秒にも満たない可能性があります。
    そんな短い時間内で的確に情報を把握するには、適切な場所で、必要最小
    限の情報を提示しているシンプルな看板であることが必要なのです。

    少し長くなりましたの更に次号へ続けます。
    

    今回もお読み頂きまして誠に有難うございました。