時事トピック

コロナ禍で変わるパーキングビジネスの未来① 

パステル石戸です。

コロナ禍による活動自粛やリモートワークによりブログの更新が滞りました。申し訳ございません。

さて今回を含め数回にわたって新型コロナウイルス感染症拡大で今後のパーキングビジネスがどのように変わっていくかについて考えてみたいと思います。

まずこの影響が相当に長引くものであろうことが重要だと考えます。短期間の現象であれば、それが収まれば、簡単に意識や行動も元の鞘に戻るでしょうが、今回は2~3年にわたりその影響力が及ぶと考えられ、消費者や企業の行動が急速かつ大幅に変容すると考えられるからです。

この行動変容は、当然ながら社会におけるニーズやシーズが大きく変化することを含意します。従って社会において求められるソリューションもコロナ前とは質的に異なるものとなります。変化に敏感になることがとても重要となります。

パーキングビジネスにおいては、まずキャッシュレス化が急速に進み、そう遠くない将来に精算機ビジネスは岐路に立たされることになるでしょう。小売業において急速に普及しつつあるキャッシュレス決済が、パーキングビジネスにおいて無縁と考えるのは無理があります。

私は全国規模で急速に普及するとは考えていませんが、都市部では急速に普及する可能性があると考えています。それにはいくつかの理由があります。

まずは消費者の意識の変化です。コロナ前にはさして不潔とも思わなかった紙幣や硬貨がウイルスを媒介する忌避すべきものと意識する消費者が一定程度生まれてきたことです。また特に都市に多いキャッシュレス決済に慣れた消費者が、駐車場でもキャッシュレス決済を求めるのは必然です。

では駐車場の運営者側からはどうでしょうか。

コロナ禍で多くの企業は財務的に相当疲弊してきています。このため新たに駐車場を開業する場合でも、地価の高い都市部では、高価な精算機等に投資するのではなく、初期投資はできる限り低く抑えたいと考えるのが当然です。又運営コストを考えてみても、キャッシュレス決済の場合、集金や集計にかかわる人件費や機器保守費用等が「ゼロ」になるという大きなメリットがあります。

では単にキャッシュレスの決済手段を導入すればよいのでしょうか。そうではありません。キャッシュレス決済は必然であり遅かれ早かれ普及していきますが、そのサービスが消費者にマッチした本当に利用者本位のシステムであるかどうかが重要なのです。

キャッシュレス決済の態様は様々です。クレジットカードによる決済ももちろんキャッシュレス決済です。QRコードや専用アプリで決済するものキャッシュレス決済です。又精算機を介したキャッシュレス決済も、精算機を介在させないキャッシュレス決済もあります。

キャッシュレス決済システムをどのように設計するかは、設計者の社会に対する理解が基礎になっています。近い将来、パーキングビジネスにおいてキャッシュレス決済が主流となることは間違いありませんが、どのようなシステムが、どのように実現して、どのように主流(デファクト・スタンダード)となるかは、まだ誰にも分かりません。私たちはこれからも学び続け、試行錯誤の中で新しいパーキングビジネスの在り方を見つけていきます。

次回は少し踏み込んで具体的にキャッシュレス決済を考えてみたいと思います。