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メールマガジン

vol.96 理不尽な要求をする利用者たち

◇今回のテーマ 「 理不尽な要求をする利用者たち 」です。

○1.年に1回程度あるかないかという頻度ではありますが、理不尽な苦情を言ってくる駐車場利用者がいます。

単純な間違いや勘違いなら問題ありませんが、セミプロ的なクレーマーや反社会的な行動を繰り返しているような人
が相手のときは大変です。

先日当社へあったクレームは次のようなものでした。

申告の内容は、ロック式駐車場の利用者から精算中にロック板が上がってきて車に傷がついたので弁償してほしいと
いうものでした。

当社が契約している警備会社のコールセンターへの一報です。

コールセンターの係員が詳しいことを聞いても、要領を得ないことを繰り返し、あげく現場に出てこいと怒鳴り続け
たといいます。

そこで係員が現場に到着して話を聞くと、また事実関係が要領を得ないのです。

○2.精算をしたと言ったかと思えば、精算したつもりだったが硬貨が落ちていて精算できていなかったが、ロックはあがっ
てきたとか無茶苦茶なことを平気でまくし立てたといいます。

ご存知のように、ロック式駐車場は入庫後一定の時間が経過するとロック板が上昇し始めます。また精算するとロッ
ク板は下がりますが、その場に居続けるとロック板は再上昇します。

実はこの利用者の車のキズは後部バンパーについており非常に不自然なものでした。

また精算機の履歴を確認すると、入庫からコールセンターに電話をかけ、係員が現場に駆けつけて精算するまでの間
に精算した事実はありませんでした。

精算もしないのにロック板が下がるはずもなく、下がっていないものが上がるはずもなく、無茶苦茶な話です。

考えられる想定は、後輪でロック板を踏みつけた状態で駐車し、出ようとしたところ、踏みつけていたロック板がバ
ネの反動であがってきて後部バンパーに傷がついたというものです。

この手法は不良ドライバーがグルでよくやる手段です。後輪でロック板を押さえて不法駐車をし、無料で出庫すると
いうものです。出庫時には、ドライバー以外のもう一名が、ロック板を踏みつけて車体に引っかからないようにし
す。

〇3.ひょっとしたら今回の利用者は、ロック板が反動で上がってくることをよく理解していなかったのかもしれません。
仲間か誰かにそのような手口を聞いてまねした愚か者かもしれません。

ところがこの利用者は、現場で、自分の知っている修理工場の担当者を呼びつけ車を引き取らせた上で、当社に対し
て、この整備工場の担当者へ連絡しろと言って立ち去ったというのです。

この報告を翌日受領し、まず事実関係を確認するため、修理工場の担当者ではなく当事者へ連絡しました。
ところが何度電話してもコールはしますが出ないのです。自分で電話に出たら、詳しいことを聞かれて不利になると
自覚していたのかもしれません。

そして当方が修理工場に電話さえすれば、何がしかの修理代金をせしめることができると考えたのかもしれません。

ひょっとしたらこの当事者と修理業者はグルかもしれません。

申告内容が極めて曖昧で、当事者が話をせず、修理工場と話してくれ、などという理不尽きわまりない要求に屈する
必要などありません。すぐに弁護士と相談し、警備会社の報告書に確定日付をもらい、精算機の記録紙を保管し、さ
らに当社として事実関係を精査した記録を作成しました。

何をどう間違っても当方にミスはありません。あまりにも理不尽でしかも杜撰な要求です。

いまのところ先方からのアプローチはありませんが、あったところで一切要求には応じず、訴えるというならどう
ぞ、というだけです。負けるのは100%先方だからです。

このようなケースでは、慌てて修理工場に電話をするというのが一番まずい対応だといいます。
またこの種のクレームがあったときに、修理の見積書を取ってくださいなどと言うのも禁句です。こちらが非を認め
た証拠だと、後で追求されるのがおちです。

いやな世の中になったものですが、このような事態が発生したら慌てず、騒がず、冷静に、しかも毅然とした態度を
とることが必要です。
また客観的な証拠を文書で残すことも大切です。

交渉を記録に残すという意味では、通話録音装置やICレコーダーなどは必須アイテムだといえるでしょう。

対応が分からなければ弁護士にでも相談したら良いと思います。

今回もお読みいただき誠にありがとうございました。