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メールマガジン

Vol.49 逆境に生きる 10

○1. 大変申し訳ございません。
業務が山積しており発行日を過ぎてしまいました。

このパステル通信は「明日の駐車場のためのメールニュース」と銘打っていますが、今回は自転車について考えてみたいと思います。

今年の3月20日から富山市で「シクロシティ富山」という取り組みが始まりました。
ホームページも設けられています。

日経新聞によれば、「自転車を24時間いつでも利用でき、好きな場所で返せる共同利用システム」ということになっています。

この共同システムのポイントは以下のように要約できるでしょう。

1.登録会員制である
2.ICカードを鍵の代わりに自転車管理を行う
3.料金はICカードのデータ(PC管理)にて決済する
4.30分以内の利用なら無料で何回でも使える
5.専用自転車が150台用意されている
6.借りたり返却できる「ステーション」はJR富山駅や繁華街付近に
計15ヶ所設置

このシステムは富山市がフランスの広告代理店で世界的にサイクルシェアリング事業を展開しているJCドコー(正確にはその日本法人のシクロシティ株式会社)へ運営委託している事業です。

○2. この事業の一つのポイントは
運営費用の一部を自転車の車体広告やステーションに掲示する広告による収入で賄うところにあります。

確かこの会社は、横浜市バスかどこかのバス停整備事業に同様の手法で参入していたはずです。
バス停を無償で設置・整備する代わりにバス停の広告権を取得するというような・・・

1、2年前にその記事を読んだときにおもしろいビジネスモデルだなぁと思った記憶があるのですが、
実は今回この話題に触れたのはそのことを言いたいためではありません。

この記事が気にかかり、ネットでいろいろと調べてみると
サイクルシェアリングが今まさに動き始めようとしているなぁという感じを持ったからです。

○3. サイクルシェアリングという言葉のほかに、コミュニティサイクルという言葉もよく使われています。
厳密な意味の違いは分かりませんが大枠では次のようなコンセプトをあらわしていると思います。

それは
自転車の共同利用のシステムで
比較的狭い都市コミュニティを前提としており自動車の代替交通手段として捉えられているというような要素を共通に持っているようです。

地域によって、まちづくりの一環として捉えていたり、観光施策の一翼をになったり、放置自転車の軽減を目的のひとつとしていたりという特性はあるようですが・・・

今年6月から札幌ではNTTドコモと㈱ドーコン(札幌市)が社会実験を実施します。昨年末には㈱JTB首都圏が千代田区で実証実験済みです。

また都心の高層マンションでも自転車シェアリングが拡がり始めているようです。

カーシェアリングは思ったより普及のスピードが遅いような気もしますがサイクルシェアリングは思ったより早い普及となるかもしれません。

「所有から共有へ」という流れは、もはや抗しきれるものではないのかもしれません。
とすれば私たちはそのような動きを受けて何をなすべきか思い悩むところです。

自動車も自転車も、所有から共有(シェアリング)へという流れが必然だとすると、遅かれ早かれ所有を前提としたビジネスモデルを大きく転換する必要があることは明白です。

まだ確定ではありませんが
昨年実施できなかった「研修会」をサイクルシェアリングをテーマに実施してはどうかなと考えている今日この頃です。

まだこの分野で本当のプロがいない段階で皆さんと一緒に勉強するのも悪くは無いかなと思っています。

今回もお読みいただき誠にありがとうございました。

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○【次号予告】 次回5月号は、「逆境に生きる 11」です。