時事トピック

駐車場におけるETC決済の現在

パステル石戸です。私が以前よりアドバイザリーをさせていただいている関西エアポート様の大阪国際空港駐車場に関する話題を取り上げたいと思います。

昨年(2019年)末より、大阪国際空港駐車場ではETCによる入出庫・自動決済が導入されました。概略をご説明します。

大阪国際空港駐車場におけるETCによる入出庫・自動決済の導入は、必ずしも「決済手段の多様化」を目的とするものではなく、「優先予約」という予約制度の一環として採用されたものです。

WEBサイトで、クレジットカード・ETCカード・車両番号・メールアドレス・氏名など所定の情報を登録して会員になると、会員は駐車予約(優先予約といいます)をすることができます。つまりETCによる入出庫・自動決済は、事前の予約が必須ということなのです。現在のところクレジットカードはアメックスだけですが今後使えるカードを増やしていく予定とのことです。

街中の時間貸し駐車場では何年も前からETC入出庫・自動決済(駐車場運営事業者ごとに事前登録が必要)が可能となっていますが、国内空港駐車場では初の導入となります。

大阪国際空港駐車場では、南北の両エリアに一般予約エリアがありますが、「優先予約(ETC)」では南立体駐車場2階の予約エリア(一般予約枠+優先予約枠+障がい者予約枠あわせて約100台)だけを使うことができます。「優先予約」の予約可能台数はまだ限られているようです。

予約車専用入口があり、渋滞時でもチケットレス入庫ができます。出庫は南立体の予約出口(専用通路)から出庫することになります。予約料金は当日が1,500円、前日までの予約で1,000円となり、駐車料金は別途必要となります。

ETCによる入出庫・自動決済は、利用者からみると入庫渋滞がなく、チケットレスで入出庫でき且つキャッシュレス決済ができるという明白な利便性があります。

 

反面、事業者から見ると決済手数料が決してバカにならないという問題があります。そういう意味で、広くETC会員の登録を募集し、キャッシュ決済からキャッシュレス決済への切り替えを急速に進めると収益が悪化してしまう結果を招きかねません。

事業者にとっては、料金システム全体のキャッシュレス化(キャッシュ決済とキャッシュレス決済の混在から、キャッシュレス決済オンリーへ)を慎重に進めながらランニングも含めたトータルコストの低減をめざすという方向性が正しい駐車料金キャッシュレス化の進め方ではないでしょうか。

以前もメルマガで書きましたが、ETCは今後の状況次第で駐車場料金精算におけるキャッシュレス化のメインストリームのひとつとなる可能性が非常に高いと考えます。今後の色々な動きが出てくると思いますが、このブログでご紹介していきます。