「CASE」車業界の今後

車好きの情報発信 vol.13

パステルの森下です。 今回は、駐輪場に関連して「自転車の通行ルール」について記載いたします。

近年、条例で自転車保険加入が義務化されている都道府県が多くなっています。 これは、自転車事故が増え、損害賠償金額が高額になることがあるためです。

事故が多い原因のひとつに、自転車の通行ルールの不明確さを放置している行政の怠慢があると思っています。そうは言っても事故を起こした場合の責任はあるので、保険加入は必要だと思います。

さて本題の自転車の通行ルールですが、大前提は「自転車は車」ということです。道交法で自転車は「軽車両」という扱いになります。なので、自転車は車道を走行するのが基本です。歩道を通行することも可能ですが、その場合は歩行者優先で車道に近い部分を徐行しなければいけません。徐行とは直ちに停車できる速度です。歩行者の急な進路変更等でも接触せずに停車できなければなりません。また、道路標識や停止線に従わなければなりません。

この大前提を理解していない方が大変多くいらっしゃいます。車道を通行しているとクラクションを鳴らしたり、幅寄せしてくるドライバー(自転車は歩道を走れといわんばかりに)や、自転車のベルを鳴らして歩行者に対して通路を開けさせて歩道を通行している自転車をよく見かけます。

また、「自転車は左側通行」を無視して右側通行する自転車もよく見かけます。左側通行している自転車と正面衝突することもよくあるようです。

ほとんど理解されていないことでは、交差点の通行ルールです。まず信号機についてですが、自転車は歩行者用信号ではなく車用信号機に従うということです。ですがここに先ほど記載した行政の怠慢が多く存在します。そもそも「自転車は歩道を走る」という概念ができたのは、1960~1970年代の交通戦争と呼ばれた時代に「自転車の歩道通行を許可した」ことが始まりとされています。そして近年の自転車と歩行者の事故の増加に伴い、慌てて「自転車は車道通行」を推進しています。ですが、交差点には大きな矛盾が放置されたままになっています。以下に記載します。

1.たまに歩行者信号に「歩行者・自転車専用」と標示がある信号(夜間や大きな交差点では標示がわかりづらい)

2.上記の標示がありながら、さらに「歩車分離」という標示がある場合、どちらの信号に従うべきなのかわからない。

3.上記の標示がある押しボタン信号。(車道で停止すると押しボタンのところまで自転車から降りて歩いて押しボタンを押しにいかなければならない)

4.横断歩道は、歩行者専用なので、自転車に乗ったまま通行はできない。(たまに自転車に乗った警察官が通行していますが)自転車から降りて通行しなければなりません。

交差点以外でも、まだまだ矛盾が放置されたままになっていて、自転車の通行ルールの理解を個人に任せたままでは、事故は減らないと思います。

車なのか歩行者なのか、どっちつかずの自転車ですが、便利な乗り物ではあるので、各個人が交通ルールをよく理解して安全に運転していただけたらと思います。