「CASE」車業界の今後

車好きの情報発信 vol.16

パステルの森下です。 今回は、本来のテーマに戻って、CASEの中「C」の「Connected:コネクティッド化」についてです。このコネクティッド化は、自動運転に非常に重要な役割を担っています。 最近の車のカーナビは、メーカー純正品しか装着出来ないようになってきていることをご存知でしょうか。以前は、ディーラーオプション(販売店が装着する)やサードパーティーのナビ(カーショップ等で装着)を選択出来ましたが、それが出来なくなってきています。これは、各自動車メーカーが車両からの各種データをクラウドに送信させ、データ収集することが大きな目的です。色んなサードパーティーメーカーのカーナビを装着しているとデータ収集が出来ません。

では、何故自動運転にカーナビのデータ収集が必要なのかということですが、いろんな理由がありますが、大きな目的は、実際の走行データの収集です。走行データの中にもいろんな種類のデータがあります。地図データ、運転データ、車両状態データ等々。これらのデータを収集し、自動運転のソフト(AI)開発を行っています。この実際の走行データ収集をいち早く取り入れ、データの蓄積が進んでいるといわれているのが、テスラです。日本でも、よく見かけるようになりました。実際の走行データをAIに学習させ、いろんな場面で安全運転が出来るように開発されています。

そして、完全自動運転に重要なのが、高精度な3次元(3D)地図データです。一般的なカーナビの地図は2次元(平面)ですが、立体的に建物や、道路標識等の情報を取り入れた地図です。自動運転の基本は車両のGPS、カメラ、各種センサーで周囲の情報をAIが処理して適切な操作を行いますが、100%機能しないことも考えられます。それを補うのが高精度3D地図データです。車両からの画像データと照合して、車両位置や周囲の情報を提供します。しかし、この高精度3D地図データの作成には、かなりの時間がかかり、道路が変更(新設や廃止)されれば、再度データを作り直さないといけません。現在の日本では、高速道路と自動車専用道路を先行して作成していますが、まだ完全ではありません。これが完成してから、一般道路の作成に着手されるようですが、一般道路は、距離も長く、変更も行われるので、更に時間がかかります。しかも、その地図のままでは完全自動運転には、使用できません。この地図に、リアルタイムの道路情報(渋滞予測、通行規制、工事、広域気象情報等)を付加したダイナミックマップというものが、完全自動運転に利用されるデータベースになります。完全自動運転の車が街中を走るようになるには、まだしばらくかかりそうです。