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Vol.21 駐車・駐輪施策と民間企業

○1.  最近、駐輪場整備の関係で色々な自治体の担当の方と話をしていて感
じたことを書いてみます。

駐車場や駐輪場の整備や運営という問題は、自治体の種々の施策と深
くかかる問題ですから民間企業の動きだけで大きく展開するというこ
とはありません。

しかし、以前のように「官」が潤沢な予算を付けて積極的に推進する
という構図でないこともまた明らかです。

ご存知のようにどこの自治体も財政難に見舞われ、破綻しかかってい
るところも決して珍しくはありません。つまり言い換えれば公共的事
業のスポンサーとしての自治体という位置付けも様変わりしたという
ことでしょう。

○2. 今後、お金(スポンサー)や知恵は民間、法整備等による条件・環境
整備は官の役割、という流れはより鮮明になっていくことでしょう。
いわゆる規制緩和による官業の民間開放(具体的にはPFIや指定管理
者制度など)はまさにこの流れそのものです。

とはいえ今、「官」の方々は大変困惑しているのではないでしょうか。

例えば駐輪場の建設と運営を民間業者のコンペティションで決定する
という方針が決まったとしても、コンペを具体的に実行に移すプロセ
スで本質的に要求されるものはおそらく「ビジネス構想力」や「経営
感覚」だと思います。

当然ながら「官」が最も不得意とするところです。

それらの感覚が欠如していればプランの選定そのものが不可能だと言
っても過言ではありません。
官の主たる担当部署にこの感覚が欠如していれば外部の専門第三者選
定委員会を作ったところで本質は変わらないでしょう。

なぜなら起案から選定までのプロセスを主導するのは当然ながら「官」
だからです。

色々なプランを検証してその価値を判断することを回避し、入札金額
のみで決定する(安ければいい)という方式は安直というそしりを免
れないのではないでしょうか。

価格入札方式が最も公平性が確保される方法だという意見は傾聴すべ
きですが、どこか薄っぺらい決定方式だという感じがしないではあり
ません。

○3.  今後の公共的な駐車施策や駐輪施策というのは民間がノウハウやお金
や経験を注ぎ込み、官は法律や条例を整備して民間のセンスが活かせ
る環境づくりや条件整備をするという明確な棲み分けが強く求められ
ていくかも知れません。

換言すれば、民間がより官と接触を深め、しかもお互いに立場をわき
まえながら真の意味での官民共同の作業をすすめていく必要があると
思われます。

民間は公正な競争を害しないよう細心の注意を払いながら官と意見交
換を行いつつ、官は条件整備をおこないつつ、民間プランの評価や見
極めができるよう(実行力は不要としても)力を付ける必要があるの
ではないでしょうか。

駐車問題や駐輪問題は都市交通問題におけるもっとも難しい問題の内
のひとつであることは間違いありません。

いまや官だけの問題ではなく民間のお金や知恵やノウハウ、経験を存
分に活かせるような「仕組みづくり」が求められているのではないで
しょうか。
その意味で民間企業等の活動が大きな公共的な役割を担うことを求め
られているとも言えるでしょう。

単に営業・商売という観点だけでなく、企業の社会的貢献、民間の公
共的事業への取り組みと言う観点からも真剣に考えていくべき問題で
はないかと思います。

今回は抽象的ながら長い文章になってしまいました。
お付き合いありがとうございました。

また今年一年間ご購読いただきまして誠にありがとうございました。

来年はより一層精進して皆様に色々な情報や視点等をご提供できるよ
う頑張ってまいります。
よろしくお願い申し上げます。

皆様方、どうか良いお年をお迎え下さい。

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○【次号予告】 次回は1月号ですが、また新しいテーマにしたいと思います。